ロウソクの火が消えるまで

日々の景色や思うこと。

一瞬のつぎはぎ

昨日、中島みゆきがサブスクを解禁したという情報を目にした。

ので、今朝はカーステレオではなく、あえてイヤホンで中島みゆきの曲を聴きながら出勤をした。

 

トップソングは銀の龍の背に乗って、糸、ファイト!、空と君のあいだに、地上の星、と知らない曲が無いのが凄い。

家を出る時、ちょうど糸がイヤホンから聴こえてきて、その一瞬の自分に、なにか感動的なドラマのエンディングがかかって来たような錯覚に陥る。

車に乗ってファイト!が聞こえてきて、これから出勤するだけのただ平凡な場面が、苦労や窮地を乗り切って希望を持って前に進んでいるような人として、俯瞰的に自分が見えた。

音楽ってそういう力があると思う。

中島みゆきが頭に流れるだけで、私を映す空間に人生のクレジットが流れるような、そんな演出を思い浮かべて次の物語が楽しみになる。

 

きっと誰もがドラマチックで劇的な人生に憧れている。

でもその憧れもまた、様々な人生の一瞬を切り取り繋げたつぎはぎでしかないのかもしれない。

平凡で面白く無い人生だと思っていても、今までのどこかの場面、どこかの瞬間、その一瞬を切り取り繋げれば誰でもドラマや映画のような人生を送っていることに気付ける。

私の場合は毎回エンディングを思い浮かべてしまうんだけど、それがオープニングでもとても楽しい。勢いよくドラムやギターが鳴り響き、ポップにこれから始まる今日にワクワク出来る。

そんな見方で1年を見れば、人それぞれジャンルは違えど、ドラマチックな展開がどこかにあるのではないだろうか。

なんて思いながら会社に着いた。

この1週間、現場が海上で海を眺めているだけなのだけれど、それもまたドラマチック。